厚生労働省は2040年に65歳を迎える人のうち、女性の2割が100歳まで生きるという推計を発表しました。
人生100年時代に突入。
「自分の体は自分で治す。」をテーマに
『漢方薬店の管理責任者歴』もある『現役鍼灸師』が、実経験や知識を基に「健康コンシェルジュ」となり【自分で治すツボや漢方薬、セルフケア】等をご紹介します。
冷えは万病の元
と昔から言われるぐらい私達の健康状態に様々な影響をおよぼします。
便秘や肩こり、頭痛、不眠などさまざまな不調の原因になるだけでなく免疫力を低下、基礎代謝の低下、体内酵素の働きの低下の原因となります。
足は心臓から一番遠い所にある為、血液が抹消まで循環しにくく冷えやすい箇所です。
また、おへそに手をあてて冷たいと感じる人は内臓が冷えている状態。
内臓が冷えると免疫力が低下し病気になりやすかったり、消化機能の低下、疲れやすくなり不調が長引きやすいです。
①足元を整える
足湯でぽかぽか
足には首や肩、婦人科系、胃腸など大切なツボが集中してるので足の冷えは全身の不調につながる事もあります。
足先、足首、ふくらはぎ周辺を温める足湯をおススメします。
40~43℃のお湯に15分ほどつかりましょう。
寝たまま足首ストレッチ
足湯と同様、足先、足首、ふくらはぎ周辺はとても重要で、冷えと共に(足先⇔アキレス腱⇔ふくらはぎ)は固くなり不調の元になります。
しっかり伸ばしてしっかり縮めてを繰り返す事で足首の状態を整えます。
仰向けに寝た状態で足先を体の中心方向に曲げ伸ばしを行います。
行う際に外側や内側に逃げないよう注意しましょう。
起床時、就寝時に20~30回行いましょう。
②内臓を温める。
甘い物を控え、根野菜をとる
白砂糖を使った食べ物(チョコレート、クッキー、ケーキなど)は食後はいったん血糖値が上がる為、体温も上昇しますが、体温がさがるのも急に下がる為、冷えてしまいます。
又、冷たい飲み物や夏野菜、サラダは控えて根野菜類など温める食べ物がおすすめです。
服装などに工夫
おへそ周辺、特に下腹部は冷やさないよう工夫が必要です。
腹巻を使用したり、シルク素材は季節を問わないのでおススメです。
秋、冬場は使い捨てカイロなどをおすすめします。
腹部を温め、胃腸の働きを高めることで内臓が熱を作り出します。
③全身に温かい血液を送る。
肩甲骨は温めの「鍵」:肩甲骨周辺は熱を生み出し、全身に温かい血液を送り出す働きをする褐色脂肪細胞が多く存在します。
脂肪細胞には体内の余分なカロリーを中性脂肪として蓄積し太らせる白色脂肪細胞と、前者の褐色脂肪細胞があります。
褐色脂肪細胞は体温を上げ免疫力を高め、代謝をよくする事に繋がります。
肩甲骨を動かすポイントは(手⇔腕⇔肩⇔肩甲骨)を連動させた運動が大切になります。
おススメの運動はタオルを肩幅くらいで両手で握った状態でバンザイし→後頭部の後ろにさげ→またバンザイします。
20~30回を3セット行いましょう。
④おススメのツボ
足三里(あしさんり)
温《お灸もおススメ!!》
お灸好きが選ぶツボの一つ。
松尾芭蕉も足三里に灸をすえながら奥の細道を旅したそうです。
むこうずねの外側を下から上にさすり上げて指が止まった所から、外側へ指幅1本分の所にあるくぼみ。
椅子に座って足を組み足三里を反対側の人差し指、中指で押す。
強めに10秒3~5セット行いましょう。
三陰交(さんいんこう)
温《お灸もおススメ!!》
三つの経絡が交わるツボで、特に婦人科系疾患にも使われます。
足首の内くるぶしの一番たかい所から3寸上の所で骨の後ろ側の際。
椅子に座った状態で足首を反対のももに乗せ、親指で押す。
10秒3~5セット行いましょう。
太谿(たいけい)
温《お灸もおススメ!!》
若さを保つツボとしても知られ、腎経のツボでも重要なツボです。
内くるぶしとアキレス腱の間の陥凹部、椅子に座った状態で足首をもう片方の足のももに乗せ、手の親指で押す。
左右10秒3~5セット行いましょう。
関元(かんげん)
温《お灸もおススメ!!》
「元気」の「関所」。
身体が元気になる為の力が集まるツボ。
おへその中央から指4本分下の部分。
椅子に座り両手の人差し指、中指でジワーッと押す。
10秒3~5セット行いましょう。
腰陽関(こしようかん)
温《お灸もおススメ!!》
「腰」にある陽気が出入りするツボ。
腰の左右にある骨盤、腸骨の最上部を結んだ高さの背骨の出っ張りの下の部分。
椅子に座るか立った状態で、腰に両手をあて親指で背骨の出っ張りの下の押して痛い所を探す。
そのまま両手の親指で10秒3~5セット行いましょう。
⑤ツボ押し後、老廃物を排泄する事が大切です。
足裏の腎臓、輸尿管、膀胱などの反射区をツボ押しし、最後に常温の水やお白湯をコップ一杯飲みましょう。
⑥薬局で取り扱いのある(一般用医薬品)お腹、足の冷えにおススメの漢方薬。
加味逍遥散(かみしょうようさん):体内に冷えがあり、血の滞りと血の巡りが不十分な状態が同居しており、気の滞りや気の逆上を伴う状態や、冷えがあって血の巡りが十分でないので栄養状態も悪く元気がでない、疲れやすいなどに使用します。婦人科系や不定愁訴に主に使用されますが、男性にも使用します。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):血の滞りを取り除き、浮腫みや水の滞りを処理し、体内にこもった熱を冷まします。
肩こりや赤ら顔などがある人に使用します。
四物湯(しもつとう):体内の血の巡りが不十分で、皮膚などに栄養が十分に行き届かないような場合に、全身を温め、血を補うことを目的として使用します。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):婦人科系の不調、血の不足、血の滞り、水の滞りがあって内臓の働きの低下、冷えの慢性化の状態などに使用します。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう):冷えによって血の巡りが悪くなる事で生じる各種の症状を改善する処方です。しもやけや下腹部痛、頭痛、腰痛などにも使用します。
※第2類医薬品はご購入の際、薬剤師、登録販売者にご相談やアドバイスを受けることをおススメします。