厚生労働省は2040年に65歳を迎える人のうち、女性の2割が100歳まで生きるという推計を発表しました。
人生100年時代に突入。
「自分の体は自分で治す。」をテーマに
『漢方薬店の管理責任者歴』もある『現役鍼灸師』が、実経験や知識を基に「健康コンシェルジュ」となり【自分で治すツボや漢方薬、セルフケア】等をご紹介します。
不眠症
とは、寝つきが悪い、睡眠を維持できない、中途覚醒、熟眠障害などで睡眠不足となり、生活の中で集中力の低下、疲労の蓄積、脱力感など生活に支障が出ている状態をいいます。
また、自律神経が乱れ、動悸やめまい・ふらつき、頭痛などの不定愁訴にも影響してきます。
①生活上のポイント
幸せホルモンで精神を安定:睡眠時に体を休める為には「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンも重要です。
実はセロトニンはホルモンではなく自律神経を安定させる神経伝達物質で、「睡眠ホルモン」メラトニンの材料にもなります。
朝起きて太陽の光を浴びる事でセロトニンの分泌がよくなります。
また、散歩やウォーキングなど運動をすることもおススメです。
カフェイン摂取を控える:コーヒーや緑茶などのカフェインを含む飲料は交感神経を優位にするので睡眠の妨げになります。なるべく遅い時間、夕方以降の摂取は控えましょう。
ハチミツ湯:ハチミツを入れたお湯を寝る前にコップ一杯飲みます。ハチミツの量はお好みで。
寝室・寝具の見直し:寝室の環境が悪いと睡眠に影響を及ぼします。布団やベッドの周りには家具やテレビ、携帯電話はなるべく避けてリラックスしやすい状態にします。
特に携帯電話は頭、顔の近くは避けましょう。
眼から休める:寝る前はテレビは見ないで、携帯電話は触らないようにします。
特に眼を使うと交感神経が優位になり脳が興奮し睡眠に入りづらくなります。
内臓を温める:睡眠に入る際に腹部周辺を温めることも大切です。
体の表面は冷えてなくても内臓や体の深部が冷えていると内臓の働きが弱くなり、免疫力も落ちて熟睡しづらくなる事も。
おススメはレンジでチンして何回も使用できる、あずき等が入っているホットパック(薬局などでも販売しています。)です。おへそや下腹部を中心に深部まで温まります。
【お腹・足の冷え】も参考にどうぞ!
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②おススメのツボ
内関(ないかん)
温《お灸もおススメ!!》
動悸やヒステリー等にも使用するツボです。
手首の一番大きなしわの中央から肘に向かい2寸のスジとスジの間。
手首を握って親指でじわっと押す。10秒を5セット行いましょう。
百会(ひゃくえ)
「氣」の流れを良くし、様々な症状に使用します。
頭のてっぺんのくぼみで左右の耳を結んだ線と体の正中線の交点。
人差し指や中指でじわっと押す。
10秒を5セット行いましょう。
率谷(そっこく)
頭痛やめまいにも使用します。
耳を前に折り、その上角から1.5寸上の個所。
人差し指や中指でじわっと押す。
上下左右に動かす。
優しめに力を入れ約60秒行いましょう。
太陽(たいよう)眼精疲労など目の症状にも使用します。
目尻から横に1寸の個所のくぼんだ所。
人差し指や中指でじわっと押す。
優しめに力を入れ10秒5セット行いましょう。
足三里(あしさんり)
温《お灸もおススメ!!》
お灸好きが選ぶツボの一つ。松尾芭蕉も足三里に灸をすえながら奥の細道を旅したそうです。
むこうずねの外側を下から上にさすり上げて指が止まった所から外側へ指幅1本分の所にあるくぼみ。
椅子に座って足を組み足三里を反対側の人差し指、中指で押す。
強めに10秒5セット行いましょう。
三陰交(さんいんこう)
温《お灸もおススメ!!》
三つの経絡が交わるツボで、特に婦人科系疾患にも使われます。
足首の内くるぶしの一番たかい所から3寸上の所で骨の後ろ側の際。椅子に座った状態で足首を反対のももに乗せ、親指で押す。10秒5セット行いましょう。
失眠(しつみん)
温《お灸もおススメ!!》
名前のとおり不眠に使用します。足反射区では生殖腺(卵管、精管)です。
足の踵の裏側、中央の少しくぼんだ箇所。
椅子に座った状態で足首を反対のももに乗せ、
拳を握り人差し指か中指の第二関節で失眠を強く押す。
もしくは足つぼの棒を使用する。
ぐりぐりと強めに10秒5セット行いましょう。
③ツボ押し後、老廃物を排泄する事が大切です。
足裏の腎臓、輸尿管、膀胱などの反射区をツボ押しし、最後に常温の水やお白湯をコップ一杯飲みましょう。
④薬局で取り扱いのある(一般用医薬品)不眠・不眠症におススメの漢方薬。
加味帰脾湯(かみきひとう):胃腸虚弱で元気がない、貧血があり顔色がよくない、苛立ちやのぼせなど精神症状が強い場合に使用します。気虚、血虚の状態で体力がなく体内には冷えがあるが精神症状として熱が出ている状態を穏やかにします。
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):気を巡らせ精神状態を安定させ、体内の熱を冷ます生薬が含まれています。
ほてりがあり、胸が苦しいなど、抑うつ、苛立ち、興奮状態を落ち着かせ高血圧やヒステリー症状等にも使用されます。
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):体内に水が溜まり気が滞っている、気分がふさいで喉や食道部に異物感があり動悸、めまい、神経性胃炎などを伴う症状に使用されます。
気の滞りを無くして気分を晴れやかにしながら、水を除き胃腸活動を整えエネルギーを取り戻す処方です。
抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ):陳皮、半夏などで胃腸を整え腹の張り感や吐き気など胃腸の不調を整えます。特にストレス性の胃腸症状が強い、虚弱な体質で神経が高ぶりやすい等に使用されます。
※第2類医薬品はご購入の際、薬剤師、登録販売者にご相談やアドバイスを受けることをおススメします。